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8月11日(金・祝)公演

2017ピッコロフェスティバル《県民参加企画》

 身体言語第七作品 農業少女

  演出 菊池亮太 / 作 野田秀樹

 2015年2月に旗揚げ公演を行い、以後年間4作品の制作スパンで作品発表を続ける身体言語。本作は創立以来初の再演ではあるが、新演出、新キャストとして全く新たな形でこの作品を制作する。劇作家野田秀樹が20世紀最後に発表した書下ろし戯曲に、演出家菊池亮太が21世紀を生きる私たちへ向けて、2020(ニーゼロ)に進む現代社会への問いかけとして、新たな息吹を吹き込む!

 2015年にグランドピアノを舞台の上に混在させる異形の現代演劇へと打ち出た身体言語の原点となる作品である『農業少女』。いわゆる『野田さんの物真似演劇』では決して終らない、とどまらない本作

 身体言語×野田地図が再びここに!

 

 第一回公演の作品記録はこちらからご覧いただけます。

【日時】

  8月11日18時00分~(上演時間90分)

【会場】

  ピッコロシアター 中ホール

兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター

再演 身体言語版

農業少女

〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町3-17-8

       出演 大久保 慶美(身体言語)

          大橋 典生 (身体言語)

          菊池 亮太 (身体言語)

          七井 悠  (劇団 飛び道具)

  ドラマトゥルク 出村 良太 (身体言語)

     舞台監督 中村 栞奈

    助舞台監督 小林 誠司 (劇団 まっコイ)

アンダースタディー 尾上 笑子

 

       照明 柳川 奈都美(身体言語)

       音響 森島 理

     宣伝美術 モモトモヨ

 

       協力 ピッコロシアター

    企画・制作 BLAC/劇団 身体言語

【料金】

  前売券 2500円

  当日券 3000円

 

演出の言葉】

 劇場とはなんでしょうか。
 現代の小劇場演劇では、路上パフォーマンスや街頭演劇と呼ばれる、いわゆるハプニング形式の演劇作品も増え、野外演劇も盛んに行われるようになってきました。他にも美術館のロビーや寺院での作品も見かけ、アートカフェやギャラリーなどは週末、作品の公演を予定している多く場所もあります。一見すれば、これらの演劇の流れは『劇場』という空間で演劇を行うことの限界が生んだ『劇場離れ』の流れのようにも見えます。ならば『劇場』とは現代でどういった意味合いを持つ場なのでしょう。
 私はこれらの広い場で行われる盛んな演劇について悲観的な考えではありません。むしろ、演劇という行為がより私たちの今日の目まぐるしい社会生活の日常に即した形で現れたものである、と考えています。
 それは同時に劇場が不必要になった結果ではなく、『劇場』という空間の持つ『演劇を起こす場』としての可能性が、建物としての劇場空間ではなく、私たちの身体の中にその住処を移したのだ、と感じているのです。
 本来、劇場とは『そこに在る』ものではなく『そこで成る』ものです。あえて漢字を使うならば『生る』としてもいいかもしれません。『金の生る木』と同じ意味合いで『劇の生る場』としての空間が劇場です。演劇が豊かになったからこそ、建物としての劇場ではない場所を劇場として成立させ得る流れを生み出したのです。
 なので、現代において演劇という現象は、必ずしも劇場という建物で起こるものではありません。ドラマは場から鳴りを潜め、高度にメタ化された私たち現代人の身体感覚そのものの中に眠っていると言っていいでしょう。その感覚を解き放ち、他者との出会う場。そこが初めて『劇場』として成立するのです。

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